不遜な蜜月


ご飯やパン類は食べたくないという真緒の意見を踏まえ、サラダを買ってきた。


「食べれそう? あと、これは水ね」


新品のミネラルウォーターを3本、真緒に差し出す。


「3本は多くない?」

「水分補給は大事よ。特に食欲ないときはね」

「ありがとう」


素直にお礼を言って、サラダのフタを開ける。

その瞬間、真緒の眉間にシワが寄る。


「ダメそう?」

「ドレッシングの匂いが・・・・・・。でも、トマトとかは大丈夫かも」


彩子が容器のフタに、食べれそうなトマトなどを取り分けてくれる。


「さっき、社長の秘書に会った」

「工藤さん?」


彩子は頷きながら、サラダを口に運ぶ。


「あんたの体調聞かれたから、つわりが始まって辛そうだ、って言っておいた」

「そう。・・・・・・はぁ」


まだつわりが始まって一日目。

だというのに、気が重い。