不遜な蜜月


自分の方は、なんの問題もなく話が進むとわかっている。

だから、真緒の家族に挨拶を済ませてから、とはじめから決めていた


「はぁ・・・・・・」


今まで感じたことのないプレッシャーのような感覚に、思わずため息が漏れてしまう。


「うまくいくことを願っています、社長」


一臣が珍しく微笑み、理人は再び、重いため息を吐き出さずにはいられなかった。










―――軽い足取りで、彩子は自分の部署へと向かう。

手にはビニール袋とケーキが入っているような白い箱。

お昼の買い出しついでに、食後のデザートとして買ってきたのだ。


(真緒、食べれるかしら?)


コーヒーの匂いにさえも顔をしかめていた真緒を思い出し、心配になる。


「・・・・・・あ」


見知った人物を見つけ、彩子は足が止まる。

向こうもこちらに気づいたらしい。