今は食べたいものが浮かばない。
「真緒、無理しないでよ?」
「わかってる。・・・・・・ありがと」
彩子に笑いかけて、真緒はパソコンの電源を入れた。
いつもより早めに出社した理人は、朝から忙しく業務に没頭していた。
本来ならば、昨夜の内に終わらせるはずだった仕事だ。
「・・・・・・」
ふと、今日は何日だったかと思い出す。
(なるべく早く、美紗を切っておくべきだな)
気づけばもう、本格的な冬に入っていた。
クリスマス前には必ず、美紗との関係を清算しなくては。
「失礼します」
一臣がコーヒーを手にやって来る。
「考え事ですか?」
「そんなところだ」
書類にサインを済ませ、一臣に渡す。
「会長たちに、報告したんですか? 結婚のこと」
「いや、何も言ってない」


