不遜な蜜月


―――翌日、真緒は朝からつわりで疲れきった顔をしていた。

姉の言った通り、どうやらつわりは重い方らしい。


「おはよっ、真緒!」

「・・・・・・おはよう」


制服に着替える真緒の背中を、彩子が明るい声で軽く叩く。


「具合悪そうね。もしかして・・・・・・つわり?」


幸い更衣室には誰もいないので、気兼ねなく会話できる。


「昨日の夜から。・・・・・・うっ」


電車は本当に、死ぬんじゃないか、っていうくらいに苦しかった。

けれど、降りてしまったら会社に遅刻する、と意地で我慢したが・・・・・・。


「大丈夫? 朝ご飯、食べてきた?」

「食べようと思ってたんだけど・・・・・・」


白いご飯を見るだけでも吐き気がひどいし、パンを食べようとバターを取り出せば、その匂いもダメだった。


「タバコの臭いもきつくて・・・・・・」

「仕事、できるの?」