不遜な蜜月


姉の言いたいことが、なんとなくわかった。


相手に妊娠を告げる前にひとりで産む決意をしたのなら、それは自己完結で済む話。

けれど、妊娠を相手に告げた後にひとりで産む決意をしたのなら、それは―――。


『真緒。その結婚相手は、どうして今、結婚する気になったの?』


姉だから、妹の性格はよくわかっている。

子供のためであったとしても、強引に結婚を迫るような性格じゃない。

ならば、この結婚を持ち出したのは相手側だ。


「その人にも、事情があって・・・・・・」

『事情? どんな事情なの? 一度突き放してるのよ。自分の子を妊娠してるのに』


怒ってる。

真緒にじゃない。

会ったことすらない、結婚相手―――理人に。

それは自分のためではなく、妹のためだ。


『真緒、私はこの結婚を手放しには喜べない』

「でも、父親だし・・・・・・」