不遜な蜜月


息子・遼太郎の声も、遠くに聞こえる。


「今、大丈夫?」

『大丈夫よ。何? どうかした?』


どうやって切り出せばいいのか、真緒は歯切れが悪くなってしまう。


『? そういえば、つわりはどうなの? そろそろじゃない?』

「あ、今始まった、と思う」


なんてタイムリーな話題なんだろうか。

電話越し、姉の心配そうな声が聞こえる。


『そう。なんか、あんたはつわり重そうで、心配だわ』

「どうだろう? 軽い方が助かるんだけどね」


切り出すタイミングを探しながら、会話を続ける。


『ご飯の匂いもだけど、私は肉とかもダメだったわねぇ』

「そうなんだ。あの、ね・・・・・・」


真緒は覚悟を決めて、話すことにした。


「私、ひとりで産むって言ったでしょ?」

『ん? 何、今更怖くなったの?』

「違うの。その・・・・・・結婚、することになった、から・・・・・・」