不遜な蜜月


それを受け取り、真緒は躊躇うように目を伏せた。


「体調悪いのに無理したら、周りに迷惑かけるのよ?」

「うん。・・・・・・これ、資料室に戻して来てから、部長に話すわ」


真緒は席を立ち、早足で出ていく。


「そのくらい、言えば私がするのに」


真面目な友人に呆れつつ、彩子はとりあえず、自分の仕事に戻った。





社長室のデスクを、理人は苛立つままに指で叩く。

書類に目を通しながら、指は勝手にデスクを叩いている。


「社長。何か気掛かりなことでも?」


玲奈が空のカップを引き取りながら問いかける。


「いや、別に」

「・・・・・・香坂さんが気になるなら、様子を見に行ったらどうです?」

「そんなこと言ってない」

「言ってなくても、顔に書いてます。気になる、って」


玲奈の指摘に、理人は反論しようとしたが止めた。


「工藤はどうした? 明日の会議について、確認したいことがある」