意味が分からず、彼は焔美を見る。
彼女はおもむろに手を挙げ、勢いよく下ろした。
「開戦っ!!」
焔美の号令を境に、すかさず霞が紘哉の持っている整理券を掠め取った。
「だっ……!お前……!!」
「甘いッスよ、紘哉サン。僕が簡単にお菓子を諦めると思いますか?」
「思わない!!だけど返せ!!」
「嫌ッスよ!」
にらみ合いが続く。
その様子を、整理券を翳しながら羽兎が楽しそうに眺める。
「……」
いつもなら、こんなことはしない。
しかし、今日は状況が違う。
紘哉は何も言わず、羽兎の手から彼女の整理券を奪い取った。



