やがて整理券を配っているお姉さんが、紘哉の前にやって来た。
そして、券を手渡す。
そうして、次に並んでいる羽兎に券を渡したところで声を張り上げた。
「申し訳ありません!只今を持ちまして、チョコレートケーキは完売しました!!」
その声に背筋がヒヤリとする。
あと少し遅かったら、絶対に買えなかっただろう。
後方を見ると、肩を落とした人々が散り散りになっていく。
そんな中、帰ろうとせず真剣な目で紘哉を見る三人。
「紘哉くん、気を付けた方がいいよ」
いつの間にか隣に来ていた焔美が呟く。
「お姉さんは何もしないけど……今から戦争起きるから!」
「……は?」



