チョコケーキ戦争




そして次の日。
いつものように事務所に来た羽兎の顔は、気持ち悪いくらいニヤニヤしていた。

「……何だよ」

紘哉が不満そうに口を開けば、羽兎はポケットから携帯電話を取り出す。
そして、彼女は画面を彼に向けた。

彼女が出したのは、SNSの『ついった~』の画面。
表示されていたのは、霞の呟き。

『紘哉サン、何かめっちゃ幸せそうな顔してるww面白いッス』

そして、その下には紘哉が幸せそうな顔でケーキを食べている写真。

そう言うことだったのか。
こうなることと分かっていて、ワザとケーキを譲ってきたのか。
最初からコレが目的だったのか。

「もう死ね!!」

紘哉の悲痛な叫びと羽兎の笑い声が、事務所に響き渡った。



【終わり】