「あっ!私の!」
「そんなの関係無い。文句があるなら、シャラオに言え」
「理不尽だよ!」
「知らんがな」
こちらでもにらみ合いが始まる。
気が付かぬ間に店が開店していたらしい。
列が徐々に短くなっていく。
「ハッ!紘哉さんなんかにチョコケーキは渡さないっ!全力でしょしするっ!!」
「実際、阻止できてないけどな。それに噛むな」
悔しそうに顔を歪め、羽兎が紘哉を見上げる。
得意気に彼女を見下ろしている紘哉の手から、恵一が整理券を奪う。
「……お前まで何だよ」
「俺は羽兎さんの味方だ!!紘哉には渡さんっ!!」
「……くたばれ」
恵一の頭に、チョップを食らわす。
彼はその場に頭を押さえて踞る。
その隙に、整理券を取り上げた。



