「……大夢のこと、あたしは今でも好きなんだ。だけど、どんな顔をして会えばいいのか、分からないの」
「……坂月も、佐倉と同じコト言ってたよ」
「……えっ?」
あたしはその言葉に、斎藤くんの顔を見上げてみた。
斎藤くんとぱっちり、目が合ってしまって、なかなか逸らすコトができなくなってしまった。
「……佐倉、オレじゃ、ダメなのか?」
「さ、斎藤くん……あのっ」
斎藤くんは本棚の方へあたしを追いやると、あたしの目をジッと見つめながら、答えるのを待っていた。
最近、斎藤くんがやたら積極的で、あたしを困らせてくる。
あたしは大夢のコトが好きなのに……。
そう思っているのに、最近妙に近くて、なぜだかドキドキしてしまう。