「………っ、クソッ……!」
オレは壁を思いっきり殴った。
怒りで、嫉妬で、もうどうにかなりそうだった………。
「坂月、おまえ、サイテーだな」
アイツのさっきの言葉が、脳裏に焼き付いて離れない。
………サイテーか。
オレはサイテーなんだな。
そうやって、彩音も、佳奈も、斎藤も。
ーーーみんな傷付けてたんだな……。
「……彩音、ごめんな……」
彩音のことを傷つけたくせに、好きだなんて、オレには言う資格がない。
……斎藤はオレより、佐倉のことずっと見てるんだな。
「……好きなんだ、彩音」
この想いは本当に変わらない。
ずっとそばにいたい。
そう思ってる。
ーーーだけど。
彩音のあの悲しそうな顔は、今も忘れない。