……でもアイツがあの時、オレのことキライだったっていうのは知っていたから。
それでもそばにいたくて、あーいうふうにするしかなかった。



今思うと、なんて情けないことをしたんだオレは……。
バカみたいに、アイツに恋したからって浮かれすぎてただけなんだと思う時もあった。




だけど斎藤みたいに、遠くから見てるだけじゃなくて、ちゃんとそばにいたいと、そう思っていた。
だから……キスした。



キスしておけば、絶対だオレのことを意識すると思ったし、頭から離れらなくなるんじゃないかとか、そう思ってた。
いま思うと、ほんとに笑うよな。



ダセェことをしたと思うよ。
彩音に申し訳ない。
だからそのお詫びの分まで、オレはアイツを幸せにしてやりたいと思っている。