「……ねぇ、今度、遊園地行こう?」
「遊園地?いいな。行こうぜ」
「うん。遊園地、行きたかったんだ」
「たまには、そういうのもいいな」
「うん。デートだもんね」
「そうだな。デート、だもんな」
大夢と繋いだその手は、家に帰るまで離れることはなかった。
こうして、少しずつ、お互いの開いた距離を埋めながら。
わたしたちは進んでいけばいい。
どれだけ時間がかかったとしても、ゆっくり歩いていけばいい。
開いてしまった距離は、いずれちゃんと縮めることができるから。
わたしたちは、わたしたちなりのやり方で、お互いの気持ちを知っていけばいいのだ。
キスから始まった恋でも、そんなの関係ないのだから。