「ただいまー」


と言うと、


「おかえりー」


と必ず出迎えてくれる。


どれだけ帰りが遅くなっても、ヤコさんは笑顔で迎えてくれる。


疲れが取れる瞬間だ。


「ご飯にする?それとも私?」


「ん、じゃ、お風呂で」


「あ、そう」


一瞬、殺気を感じたのは気のせいだろうか?


お風呂から出ると、香ばしくて、どこか懐かしい…。


「お、ヤコさんのカレーうどん‼」


「はい、どうぞ」


テーブルに置かれたのは、確かにカレー。


「何日も寝かせたから美味しいと思う。何日も寝かせたから」


「うん、そんな感じだけど…うどんは?」


「ああ、忘れたからキーマカレーにしてみたの」


「キーマカレー?」


「そう、キーマカレー」


そう言うと、ガツガツと食べ始めたヤコさん。


まるで親の仇をとるかのように…。


「どう?キーマカレー?」


「美味いよ」


「わたしのキマカレー美味しい?」


「…うん」