思ったよりも温泉と宴会で時間が経過していたのか。

旅館の外は既に夕暮れが迫っていた。

「しまったな…暗視ゴーグルでも持って来ておくべきだった」

ラルフが狙撃銃(モデルガン)片手に呟く。

「暗視機能ならば私が内蔵しています、ご心配なく」

流石アンドロイドのアン、暗闇の山中でも見通せるらしい。

「念の為に私も偵察役を放っておこう」

ウェスタが手首のブレスレットの宝石を撫でると、風を操る緑の鳥・ハーヴィアが甲高い鳴き声を上げて上空へと羽ばたいていく。