2014年1月某日、午前4時23分。

天神大学医学部附属病院。

分娩室前のベンチで、龍太郎一味は沈痛な面持ちで座っている。

苦虫を噛み潰したような表情の小岩井、祈るような両手の形の七星、腕を組んで壁に凭れ掛かるアルベルト、何度も壁の時計を見上げる喜屋武、先程から貧乏ゆすりが止まらない龍太郎、分娩室の扉を何度も見る誠一郎、遊里は廊下を行ったり来たりと一番落ち着きがない。

しかし、その長い時間にも終わりが来る。

分娩室から聞こえてくる、赤ん坊の泣き声。

「!」

小夜が顔を上げ、ぱぁっと表情を綻ばせた。