「花音ちゃん、誰にお手紙?」

「ふぁああぁああぁあぁああっ?」

七星が背後から覗き込むと、慌てて五所川原の両手で手紙を隠す花音。

「書いてないぴょん!手紙なんてこれっぽっちも書いてないぴょん!」

「彼氏のちびっ子剣士君にだよね?」

「あぅぅうぅうっ…」

わかっていながら訊ねる七星も人が悪い。

花音は五所川原の後頭部に顔を埋めて頭から湯気を上げる。

「うんうん、仲良しでいいねぇ」

ニコニコしながら自分の席に鞄を置く七星。

同級生とはいえ、七星は花音のお姉さん的な位置付けだ。

色々相談に乗ってやったりもするらしい。