「たのもう」

いつぞやのように空手着のままで職員室に入る龍太郎。

すると。

「やぁ龍太郎さん、お待ちしていましたよ」

着物姿の優男がフワリと立ち上がった。

中性的な顔立ちで、赤い刺青が黒い瞳を囲う。

花の色によく似た淡緑色の髪を結い上げ、髪留めには自身の枝。

『人外穏健派教師陣』の一人にして佐倉 花王の眷属、佐倉 御衣黄(さくら ぎょうこう)だ。