あれからおおよそ10分で学校に着いた。

「んじゃ、俺あっちだから!」
「あ、うんっ!」
隣にいた淳也が離れると不安で仕方が無い。
何しろ皆知らない人ばかりだからだ。そんなあたしを見て淳也は優しく微笑んだ。
「俺、2のBだから何かあったらいつでも来いよ!」

そう言い学年別にされている昇降口へと姿を消した。完全にひとりだ。

取り敢えず自分のクラスも分からないままだったのでクラス表をみる。周りの女子は既にグループが出来はじめている。
せめて誰かに話し掛けないと…
「わっ!!」
「わぁっ?!!!」
いきなり背を押された。びっくりして後ろを振り向くと

「久しぶり☆優花!」
「美咲(みさき)じゃんっ!!」
日下部(くさかべ)美咲。あたしの小学生のときの大親友。頭が良くて容姿端麗だったがあの時の長いストレートの黒髪は明るい茶髪でショートヘアースタイルに変わっていた。
確か県外に引っ越しちゃったとか聞いたから戻ってきたのかな?

「優花髪伸びたねー!髪サラサラだー!」
美咲はそう言いながらあたしの髪を撫でた。
「美咲めっちゃ短くなったねー!!似合うよー!」
「えへへ☆そーかなぁ?」
そういいはにかむ美咲はあの頃のまま可愛らしかった。
「あ、美咲は何組だった?」
すっかりクラスのことを忘れてた。
「あたし?C組だよー☆優花と一緒!!」
「ホントっ?!よかったぁ!誰も知り合い居ないからさ(泣)」

少しホッとした。話し相手は出来た。
「よろしく!優花!」
そういい手を伸ばす美咲。
「こっちこそよろしくね!
その手を握り恋人みたいにな展開で一緒に笑った。

そしてノリでそのまま三階にあるあたしたちの教室へ向かった。

何か楽しい高校生活がはじまりそうだ!!