そんなこと考えてたら周りの視線が少し気になりはじめた。

「こ、高校生になったんだから子供扱いしないでっ!」
顔を背け髪を整えながらあたしはそう淳也に言い放った。

とうの本人は笑いながら謝ってくれたが絶対反省してないため軽く背中を叩いた。

その時
「キャッ!」
強風が吹き、驚いて尻もちをついてしまった。おろしたてなのに(泣)

「お前だっせぇ(笑)」
さっき以上に爆笑する淳也。顔から火が出そうだ。てか絶対出てる。

「恥ずかしいんだけどー(泣)!ホント最悪ぅ(泣)」
立ち上がろうとした瞬間あたしの目の前に手が差し伸べられた。

「ん」

あたしは何があったのか全く分からなかったが取り敢えずその手を掴み立ち上がった。

「あ…ありがと」
「血出てる」
「えっ?!」
どうやらあたしは手首に擦り傷を負ったらしい。

「かして」
手首に青と灰色のチェック柄のハンカチで止血された。

その時初めてその人の顔をみた。
あたしより少し背が高くて黒髪で色白の男子だった。どうやら制服からしてあたしと同じ高校みたいだ。



こんな風にあたしたちは出会ったんだよ
初めて君と会ったとき
まだ昨日のことのように思えるの
桜並木の下で



「ん」
止血されたあたしの手首。

「あ、ありがとね!ハンカチ洗って返すから、名前おしー…」
「あげるからいらない」
彼はそういいそそくさと歩いて行ってしまった。

「大丈夫か?優花」
「ふぇ?あ、うん!大丈夫!」
一瞬淳也の存在を忘れてしまっていた。

折角淳也と同じ学校に入るために頑張ったのに何してるんだ!あたし!

「ぼーっとしてねーでいくぞ」
そう言い歩きはじめた淳也を見て慌ててあたしは学校へと向かった。