君が教えてくれたのは、たくさんの奇跡でした。

「うん、今さっき」



『じゃあ杏奈のところ行くよ。どこ?』



「……屋上」



『了解、向かうわ』







通話を一方的に切られ、スピーカーからはツーツーと通話終了を知らせる音が聞こえる。



スマホを鞄に直すと、傍にあったベンチに腰掛けた。