君が教えてくれたのは、たくさんの奇跡でした。

この青に吸い込まれそうで、目を細めた。



今の私の心は、この青に不釣り合いな程曇っていて、



太陽に透かせば誰かに気づかれてしまいそう。







――ピリリリ……



屋上に鳴り響く着信音。







「もしもし?」



『杏奈?』



「うん、どうしたの?」



『万里さんのお見舞い、終わった?』