君が教えてくれたのは、たくさんの奇跡でした。

連れて行かれたのは、杏奈の待つ診察室。



杏奈はどうしたらいいのかわからなかったのか、ぼうっと椅子に座っていた。







「杏奈ちゃん、ごめんね。雅にどうしても言わなきゃいけないことがあって」



「そう、ですか……」







そんな苦しい嘘、かえってバレるって。



けど、そんな嘘をつかなければならない状況にあることが更に苦しくて。