「こんにちは、杏奈ちゃん」



「こん、にちは」







2人だけの病室に響いた私の声にびっくりしたのか、



藪内先生は持っていたボールペンを落とした。



カンッと音をたてて落ちたボールペンは、立ちっぱなしの私の足元へ転がってきた。