君が教えてくれたのは、たくさんの奇跡でした。

なんで……?



ドクンドクンと大きな音をたてて動く心臓が、体が、



その場にいては駄目、と警告してる。



逃げるようにその場を立ち去ろうと歩き出したとき、



背後から声が聞こえた。







「ねぇ」







振り返ると、鏡に向かってリップを塗る、マナさんの姿。