君が教えてくれたのは、たくさんの奇跡でした。

勢いよく病室の扉を開けると、そこには沢山の医療器具と、看護士や医者が溢れていて、



その人の隙間から見えていたのは、血だらけの、杏奈の細い腕と



真っ赤に染まったシーツや毛布だった。







「あっ!雅くん、一回出てちょうだい!」







入り口でぼうっとしていた俺を見つけた顔見知りの看護士が俺を病室の外の椅子に座らせた。