君が教えてくれたのは、たくさんの奇跡でした。

……なんて、ただのヘタレかもな。







「雅――……」



「籔内先生!」







兄貴が何かを言いかけたとき、どこかで見たことがある看護士がこっちに全速力で走ってきた。



兄貴のところにたどり着くと、少し息を整えながら、涙声で言葉を発した。