君が教えてくれたのは、たくさんの奇跡でした。

母親を自殺に追いやった俺が出来ることなら、なんでもしてやる……――。







「……雅は、女として、杏奈ちゃんが好きなのか?」



「……正直、わかんねぇ」







言葉の語尾に、けど、と付け足した俺の言葉を黙って聞いている兄貴。



そのまま言葉を続けた。