そこには、やっぱり昔のような穏やかな空気は流れていなかった。



仕方ない。



裏切ったのは、俺じゃない。







「……」



「……何か、用か?」



「……」







黙ったままの兄貴に痺れを切らし、病室に戻ろうとする俺を、兄貴は引き止めた。