君が教えてくれたのは、たくさんの奇跡でした。

「母さん」



「……いっ……いや……――」



「元気で」







振り返ることはなかった。



聞こえたのは、母さんの泣き声だけ。



昔の俺の、小さな世界は滅んだ。










それから、足早に隆弘の家へ戻る。