このパイプ椅子も、もうママの私物のようなものだ。



ふとした瞬間にママがバツが悪そうな顔をするのにも、もう慣れてしまっていた。



そんなに嫌なら来なければいいのに、と思うことも毎回同じ。



私が顰めっ面で頷いたことに、きっとママは気付いていないんだろうな。