「雅、まずは"ただいま"でしょう?」



「ただいま!」







ランドセルを下ろし、中から少し折れ曲がった賞状を出し、母さんに渡した。







「あら、絵画コンクールね。上手く描けていたものね」



「うん!ねぇ、兄ちゃんは――」







そんなとき、玄関の方からドタドタという足音が聞こえてきた。







「母さん!雅は?――」



「彰、ただいまでしょ?」