「杏奈は、ずっと笑ってろよ」







"笑ってろ"、その言葉には、もっと深い意味があったような気がしたけど、切なそうに目を伏せたみーくんを見ると、何も聞けなかった。







【みーくん、お願いがあるんだけど】



「何?」



【クリスマスツリーが欲しい】







みーくんは目を丸くして、食べかけていたポテトチップスを床に落とした。







「なんでいきなり……?」



【だって、前言えなかったから……】







スマホから顔を上げると、みーくんは困ったように頭を掻いていて。



失敗した、と悔やんだ。