「思わない」







迷いなく言い切ったみーくんを真っ直ぐに見れなかった。







「結局俺は、家を捨てられなかったんだ。作る資格なんか、俺にはない」







捨てる?家を捨てるって、どういうこと……?
さっきの藪内先生の言葉を思い出す。



――"お前とあの子が想い合うようなことがあれば、杏奈ちゃんに火の粉が飛ぶってこと"



みーくんが、藪内の人間だから、自由に恋をすることを許されないの?