「ただし、発作が2回以上起これば、直ちに病院に戻ってもらう」



【はい】



「じゃあ、俺はちょっと戻るね。ゆっくりしてて」







小さく頷いた私を見て、藪内先生は微笑み、病室を出て行った。



息を吸って、歌ってみようと試みた私だけど、やっぱり声は出ない。ただ、広いだけの個室の病室に重い空気が流れるだけ。







万里ちゃんの病室に行こうと、ベッドの下に置いてあったキティちゃんのスリッパを出し、履いて一歩ずつ歩き出す。