君が教えてくれたのは、たくさんの奇跡でした。

【付き合ってたから】



「えっ……」







彼女さんの表情は、一段と強ばっていった。







「どういうこと?」







颯は、私を見た。







ざまあみろ。やっと、何かが吹っ切れた気がした。







「杏奈、それ買いに行こう」







みーくんはそう言って、私が持っていた服と靴を横からかっさらい、レジへと向かう。



その後ろ姿を私は早足で追った。







みーくんに追いついた頃、流れていた筈の涙はもう止まっていた。