君が教えてくれたのは、たくさんの奇跡でした。

「行こうか、杏奈ちゃん」



「はい」







看護師さんにストレッチャーを押され、部屋を出るときみーくんが私を呼び止めた。



何かと思ってみーくんを見上げると、君は目を細めて私に叫ぶ。







「また後でな!」



「……うん、また後でね」