君が教えてくれたのは、たくさんの奇跡でした。

みーくん、早く帰ってきてよ――……!







何も考えたくなくて、ぎゅっと目を瞑った。







「杏奈?」







え……。







顔を上げると、いつの間にかみーくんが私の後ろに立っていた。







「誰?」







ジロジロと颯を見る、みーくん。







「お前こそ、誰だよ」







負けじと言い返す颯。その姿はもう、私が好きだった頃の颯じゃない。