君が教えてくれたのは、たくさんの奇跡でした。

「それじゃ意味ねえんだよ!」







はっとしたような颯の顔。



彼女さんの表情は、更に険しくなっていく。







「なんで?この子を庇ってるように見えるんだけど」







庇ってる?そんな筈ない。颯が、そんなことする訳ない。







「違うよ。いいから」



「嫌だってば!」







早くここから、立ち去って。



逃げたい。ここにいたくない。



私は、ここにいらない存在。



私は、どこにもいらない人間――……。