君が教えてくれたのは、たくさんの奇跡でした。

反対に嘘をつかなければならない関係なんだと思うと、何故か笑いがこみ上げてきた。







だけど、足が震える。







付き合ってたときも、別れてからも、颯の不幸なんて望んでなかった。



好きで、大切だったから、ずっと、幸せを願っていた……、筈だった。



だけど、声を無くした私に、







『話せねえとかつまんねえ。別れよーぜ』







と、冷たく言い放った颯に、恐怖を覚えたのかもしれない。



だから、心から願うことなんて出来なかったし、したくなかった。



私と同じように不幸であれと、幸せになんかなるなと思っていた。