君が教えてくれたのは、たくさんの奇跡でした。

「じゃあ、逆に杏奈はどれがいいんだよ」







どれがいいって……。



沢山ある中から、今すぐに一番気に入った物を持って来いと言われたって、持って来れない。取り敢えず、私は近くにあったファー付きの茶色いポンチョを手にした。







「やっぱり、杏奈の方がセンスない」



【なんでよ!】



「杏奈は、これが一番似合う」







そう言ってみーくんが差し出してくるのは、やっぱりあのシマウマ柄のシャツ。



もはや、悪意も感じる。







【もう、みーくんは黙ってて!】







ブツブツと文句を言うみーくんを置いて、服を選ぶ。



適当に選んだポンチョだったけど、可愛くて好みだから買ってもらっちゃおう。