君が教えてくれたのは、たくさんの奇跡でした。

【わかったよ】



「好きなブランドとかは?」



【特にない】



「じゃあここでいいや」







動かしていた足を止め、傍にあった店に入ってゆくみーくん。



その後を、私はついていった。







「これ、杏奈に似合いそう」



【みーくん、センスなさすぎ】



「えー、絶対いいって!」



【そんなの着たくないから】







みーくんが選んだのは、病室にある小さなテレビに映る関西のおばさんが着ているようなシマウマ柄のシャツだった。