杏奈を俺から離すと、ここが中庭だということに気づいた。



小さな男の子と女の子が俺達を真っ赤な顔して見つめていて。



人差し指を口に当てて笑うと、彼等も同じように笑った。



そうか。



杏奈が徐々に母親になっていくように、



俺も父親になっている。