気づかないフリをしてやり過ごそうと思った俺が馬鹿だった。







タカに言われ、半ば強制的に病院に向かった俺は、



ロビーで杏奈の病室を聞き、指定された部屋へ向かった。



けど、扉を開けると部屋は藻抜けの殻で、しじまが広がっている。



兄貴の元へ向かい、杏奈はどこにいるのかと問いただすと、



兄貴は溜め息を吐きながら「検査を受けている」とだけ言った。