君が教えてくれたのは、たくさんの奇跡でした。

その瞬間、部屋の中に響いたのはゴキッといった鈍い音。







「きゃあぁっ!」







後ろ向きなことしか言わない藪内先生の頬を拳で殴り飛ばしたみーくんの手には、血が滲んでいた。







「いって……。何するんだよ!」



「万里さんのこと、褒めてやれよ!



今までつらい闘病生活を送ってきたんだろ!?



主治医で彼氏だった兄貴が一番知ってるんじゃねぇのかよ!!」