君が教えてくれたのは、たくさんの奇跡でした。

……え?



声を取り戻す?失った声を?



どうやって……。







みーくんは慌てて口を噤んだ。







「ごめん、なんでもない……。杏奈が、心配だし」







心配、って言葉も嘘じゃないみたいだけど……。



どうしよう。







付き合っている訳でもない。



小さい頃から一緒にいる訳じゃない。



出逢って、まだ少ししか経っていないのに――……







だけど、みーくんがそう言ってくれたことが、嬉しかった。