君が教えてくれたのは、たくさんの奇跡でした。

「……失礼します」







意を決して扉を開けると、そこには優しそうな年配の女の人が机に向き合っていて。



その姿に何故かホッとし、頭を下げた。







「鳥越さんね?」



「はい。よろしくお願いします」



「産婦人科医の山根です。こちらこそよろしくね」







しわくちゃに目尻を下げて微笑む彼女は、私に椅子に座るよう促した。