君が教えてくれたのは、たくさんの奇跡でした。

ドアを開けると、ソファに座ったみーくんの後ろ姿。







みーくんはやっぱり男の人だなぁ。



後ろ姿が逞しい。







「……今日はうちに泊まらせる。は?……それは本人が決めることだろ。俺には何も言う権利はない」







電話中かな?相手は多分、藪内先生か院長先生。



やっぱり、迷惑だよね。



帰った方がいい?



でも、あんな人達のところなんかに戻りたくないよ。矛盾してる。ここから離れたくない。だけど、帰らなきゃ。破裂しそうなくらい頭の中はいっぱいいっぱいだった。







「杏奈?」








電話を終えたみーくんは、ドアの前で立ち止まったままの私に声をかける。